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新生秘話。 それは、語られることのなかった、それぞれの新生の物語。 今こそ語ろう。 第七霊災の、もう1つの真実を。  未知なる大陸での冒険を夢見ていた一団は、謎の大波により分断されてしまった。
行方不明となってしまったイシュを探すため、残された二人はウルダハという街で情報収集を始める。
その一人、金髪のララフェルの青年は剣術士ギルドに向かう。
しかし、大声で怒鳴り散らしていたギルドの男に目をつけられてしまう。
その男は、自分との勝負に勝てばギルドでの情報収集を許してくれると言うが、周囲にいた者は一同に眉をひそめている…。
かくして、その勝負は始まりを告げる。
果たして、その勝負の行方は…?
ララフェルの青年は、無事情報を掴むことができるのだろうか…?  いいかい初心者くん。勝負はどっちかが気絶するか降参するかだ。手加減してあげるから頑張りなよ? 彼は少し考えたあと、笑みを浮かべ小さく頷いた。 先を急がなければならないはずなのに、彼はどこか嬉しそうな表情をしているようにも思えた。 こうして、彼と男の勝負は始まる。 剣術ギルドの係員が開始の合図をする。 それと同時に、男はおお振りで剣を振りかざしてきた。 ”そらよぉ!” 男が振りかざした剣が大きな金属音と共に「演習用」の剣を穿つ。 剣の道に関わったことのある者ならば、立ち合った一太刀目で、ある程度相手の力量を測ることができると言う。 この一太刀目を境に、”小柄な初心者”から笑みは消えた。 更に剣を交えるごとに、彼の表情はどこか怒りにもにた表情になっていく。  おいおい、守るだけじゃ勝てねぇぜ~?焦りが顔に出ちまってるよ、初心者君? 対して男には余裕が全面ににじみ出ている。 何度も何度も振り下ろすその剣は、あえて防ぎやすい場所を狙い、いたぶるのを楽しんでいるかのようだった。 しかし、それは単調な攻撃故に、読んでしまえば反撃は可能だった。 右肩口に振り下ろされた剣をつば元で受け、体を半回転させその剣を受け流す。 受け流す力を利用し剣を加速させ、体の回転力を乗せた剣は相手の額付近を一閃する。 …男の前髪がひらりと散った。 てめぇ…!俺様のハンサムな髪型を…!! 前髪を切られたことによっぽど腹をたてたのか、その顔には血が上っている。 髪型はハンサムに関係ないし、本気でやったほうがいいんじゃない? 彼が言い返すと、男は怒りに任せて剣を乱打する。 それまでのいたぶるような剣とは違い、それはおそらく、手加減なしの斬撃の嵐だった。 演習場に連続して響き渡る甲高い金属音。 見ていたギャラリーからもどよめきがあがる…。  おい…あれ止めなくていいのかよ…?
あの初心者君死んじまうぞ…。 その間にも数十の斬撃が彼に浴びせられている。 が、怒りに任せての斬撃だからだろうか、彼は致命傷を負うこともなく、その剣を受け続けていた。 それがどれほどの時間続いただろうか。 それでも彼は倒れることはなかった。 怒りに任せ剣を振っていた男にも疲れの色が見え始める。  はぁはぁ…しぶてぇやつだな!貧乏人にはもったいねぇ技だがしょうがねぇ! 耐え続ける彼に業を煮やしたのか、男がなにやら技の構えに入る。 男の剣からは、金色の光が溢れ、それはまるで黄金のオーラを纏っているかのようだった。 ギャラリーからは歓声があがると共に、不安そうな視線が彼に集まる。 その構えを目の当たりにして、彼は大きくため息をつき、小さく呟いた。 もういいよ。 その時、演習場にいた全員が、凍るような空気を感じ、身動きがとれなくなったと言う。 その刹那だった。 誰もがその瞬間を見ていたはずなのに、誰の目からも一瞬、彼の姿が消えた。 とっておきの技の構えをしていた男も含め、全員の思考が一瞬停止する。 次の瞬間、彼は男の背面へと現れた。  剣と剣とがぶつかる金属音とは違う、鎧を穿つ金属音がその場に響き渡ると同時に、激しい火花を散らした。 ギャラリーが何が起こったかを理解する前に、男は膝から崩れ落ちた。 ねぇ、気絶も勝ちだったよねー? 彼が係員に問いかけると同時に、ギャラリーからは割れんばかりの歓声が湧いた。 こうして、初心者狩りの決闘は、誰もが予想もしなかった結果で幕を閉じた。 男は気絶したままだったが、約束通り心おきなく情報収集をさせてもらうとしよう。 それと同時に、男の素性についても少し話を聞いた。 …というより勝手に話されたといったほうがいいだろう。  いや~君があいつをぶっ飛ばしてくれた時はスカっとしたよ! やはりと言うべきか、何やら彼が嫌われていたのには理由があるらしい。 聞かされた話を整理していくとこうだ。 男はウルダハでは名のある貴族の息子であり、父親は剣術士ギルドに対し多額の援助金を寄付しているらしい。 父親は息子を剣術士ギルドのトップに立たせるべく、その援助金を理由にギルドの幹部に就任させた。 いわゆる”コネ”というやつだ。 援助金の後ろ盾もあるせいか、周りもその言動に強く言うことができずにいたようだ。 権力に任せ、剣術の修行もおろそかにしていたようで、その実力もお察しというところ。 けど、最初あんたの顔色が変わった時はヤバイって思ったぜ?真顔っていうかさ! 一太刀目を受けた時に見せた彼の表情。 ギャラリーには、それが余裕がなくなったかのように見えていたのかもしれない。 ああ、一太刀目でたいしたことないってのは分かったからねー。それよりも、そんな奴が剣を語ってることにちょっと腹が立っただけさ。 そ、そうなのかい…?でもたいしたことないって言っても、最後の黄金のオーラの?あの技なんか見たら普通ビビっちゃうよ。 たしかに、あの男が最後に見せた黄金のオーラを纏う技は、その全貌はわからなかったが、常人の域は越えているかのように思えた。 あれは剣のツバに仕込んだ金粉を撒き散らしてるだけだよ…。 あの構えを見た瞬間に彼が大きなため息をついたのは、それを見切っていたからだった。 金持ちの考えることはわからないと言うが、こうも無駄な使い方があるものだろうか…。 あの男が目を覚ました時、この先剣術士ギルドでの立場を考えると少し同情するものがある。  しかしあんた強いな、最後の技はなんていうんだい?あと、情報集めするなら一応ギルドに名前を登録しておくから教えておくれよ。 技名?ただちょっと本気で振っただけだよ!でもあれで壊れないなんて、やっぱここの剣はいい仕事してるね! 彼は笑みを浮かべながら借りた剣を返すと、2つ目の質問に答える。 えーっと、名前登録すんだっけね?
じゃあ登録の名前は…。  バン、で! 係員はその名を聞くと、ギルド名簿へサラサラと羽根ペンを走らせた。 バン…っと。あと、出身地も一応教えてもらえるかな?この国はそういうの気にしててさ。 彼は聞かれた通り、生まれ育った地の名を答えた。 しかし、それを聞いた係員は眉をひそめ、しばし考え込んだ。 それもそのはず。 彼が生まれ育った地で、ここエオルゼアが全く知られていなかったのと同じように、彼の故郷もエオルゼアでは全く知られていない地だった。 う~ん…こんな地名知らないよ…?本当にあるのかい…?
そう言われてもな、とバンは返す。 係員はさきほどより一層眉をひそめ、また考え込んでしまう。 エオルゼアの外の大陸から船で海を越えて来たと言っても、それを信じるものはそういないだろう。 係員の彼もまた、その話を本当のことだとは思っていなかった。 …わかったわかった!何か理由があるんだろ?深くは聞かないよ。 係員はこちらを何か察したような表情で見ると、パタンッとギルド名簿を閉じた。 それからと言うもの、係員はバンの事を聞かれても「異国」から来たようだとしか伝えなかったという。 そして後々、剣術士ギルドでバンはこう呼ばれるようになる。 ”異国の剣勇”と。 剣術士ギルドでの出来ごとはこれだけではない。 そもそも、ここに来た目的は剣術勝負ではない。 行方不明の仲間の情報を集めなくては…。 そう思った矢先、バンに声をかけてくる男がいた。  やぁ、さっきの勝負見させてもらったよ、たいしたもんだ。 男は剣術士…という風貌ではなく、大きな荷物を背中に背負っていた。 続けてその男は言う。 しかしそんな装備じゃ困りもんだろ?どうだい、いい装備が揃ってるぜ? どうやらその男は、様々な物を売り歩いている行商人のようだった。 まともな装備を纏わぬバンに目をつけたようだ。 だが、自らの得物一本仕入れられない状況を考えると、その懐事情はお察しというもの。 当然装備など買う金もない。 そう伝えると、行商人は途端に興味をなくし、その場を去ろうとした。  ちょっとまってお兄さん!聞きたいことがあるんだけど! バンはその行商人を引き止めた。 行商人の男はあからさまに嫌そうな顔をしたが、バンは気にせず続け、青い髪のララフェルを見なかったかと訪ねた。 男の嫌そうな顔は晴れなかったが、少し考えてからバンの問いかけに答えた。 まぁ良いモン見せてもらった礼だ。教えてやるよ。
俺の行商人仲間がいるんだけどな、つい先日行き倒れてるララフェルをグリダニアまで届けたって言ってたな。
言われてみれば聞いた風貌もおまえさんと似てるし、そいつなんじゃねぇか…? そう言うと行商人の男は次の金づるを探しにそそくさとその場所を後にしていった。 こいつは思わぬ収穫だった。 いきなり得られた有力な情報だ。 グリダニア、か。 バンは懐にいれていたリンクパールを取り出すと、格闘士ギルドに向かった仲間に連絡を取った。  お~い!おっちゃん!有力情報ゲットだぜ~!グリダニアだってよ!どっかわかんねぇけど行くぞ~! 意気揚々と話しかけるバンとは裏腹に、格闘士ギルドの仲間はトーンも低く意外な返事をする。 あぁ、そうか、それは良かった。でも俺はちょっと用事ができちまった。 思いもよらない返事にバンも戸惑う。 当然その理由を問い詰めてみるが、その仲間はかたくなに口を閉ざす。 ただ一言だけ、「興味が湧いた」とだけ伝えてリンクパールの通話を切った。 バンは大きな溜息を付きながらボソッっとつぶやく。 まぁ~たおっちゃんの悪いクセだよ…こうなると聞かないかんな~…。まぁいっかねー! どうやらもう一人の仲間は、まだ格闘ギルドでやることがあるらしい。 それが行方不明の仲間を探すことよりも大事なことかは定かではないが…。 しかし、そんなことも彼らの間ではよくあることだったらしい。 何はともあれ、有力な情報をつかめたバンは、一人先にグリダニアに向かうこととした。  新たな地、グリダニア。 その旅の途中では一体何が待ち受けているのだろうか。 そして散り散りになった仲間は果たして無事に再会することができるのだろうか。 まだ互いの未来を知らぬ者たち。 そのの運命は、ここから交差していくことになる…。 つづく。 更新済みの話はこちらから!

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こんにちは!こんばんは!おはざらす!えー…昨日はほんとは更新の日でしたが…。 思いっきり爆睡しておりました…wすこーし疲れがたまってたようで…でもおかげさまでスッキリです! 結果的に昨日はお休みになってしまいましたが…w 足を運んでくださった方々、本当にすみませんでした…! というわけで、奇数日ですがちょっとだけ更新です。 皆様覚えていらっしゃるでしょうか? ちょっと更新が遅くなってしまいましたが、 新生秘話”第4話”、近日更新となります!!ですので、今日はその内容をちょっとだけ先行公開してみたいと思います! では参りましょう、チラリ!  それまでのいたぶるような剣とは違い、それはおそらく手加減なしの斬撃の嵐だった。
演習場に連続して響き渡る甲高い金属音。
見ていたギャラリーからもどよめきがあがる…。
”おい…あれ止めなくていいのかよ…”
”あの初心者君死んじまうぞ…” 剣術ギルドの人物と勝負することになってしまった金髪のララフェルの彼。 なにやらその試合展開は思わしくない方向へと向かっているようですが…。 果たしてその結果はどのようなものになるのか…? 無事にこの試合を終えることができるのでしょうか…? 行方不明の仲間の情報を集めなくては…。
そう思った矢先、彼に声をかけてくる男がいた。
”やぁ、さっきの勝負見させてもらったよ。”
男は剣術士…という風貌ではなく、大きな荷物を背中に背負っていた。
続けてその男は言う。 どうやら情報収集の活動のほうも何か動きがありそうですね。 しかしそこに新たな登場人物が…。 果たしてこの人物は何者なのでしょうか…? 剣術ギルドの者ではなさそうですが、有益な情報は見つかるのでしょうか? ここから、それぞれの物語が交差し始めます。 手に汗握る勝負の行方に、是非ご期待ください! 新生秘話 第4話 ~異国の剣勇~まもなく公開ッ!!これまでのお話はこちらから!

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こんにちは!こんばんは!おはざらす! えーと今日はですね…。 ちょっとリアルのほうの作業がほんとに忙しくて、ほぼ記事に手をつけられない状況でございます…。 ハロウィンイベントのほうもやりたいんですが、今日は横目にみんながホウキにまたがるのをグギギと眺めております…w ということで、今日はあの内容をちょっとだけ公開しておきます! そうです! 新生秘話 第三話でございますよー!  旅団「ヒマワリ」は新天地を目前に、謎の大波により分断された。
残された二人は、行方不明になったイシュの生存を信じて疑わなかった。
何か情報を集めるためにたどり着いた街の名はウルダハと言った。
情報を仕入れるために二人は冒険者ギルド、クイックサンドへと向かう。
しかし、そこでは有益な情報は得ることはできなかった…。
二人は更なら情報を求め、それぞれ剣術士ギルドと格闘士ギルドへと向かった。
ここからは、剣術士ギルドへと向かった「金髪のララフェルの青年」を追いかけてみるとしよう。 第三話の物語はこのようにして始まります。 主人公は「金髪のララフェルの青年」。 果たして剣術ギルドでは何が起こるのか? その一部だけをご紹介してみましょう。 大笑いする男の声の影に、周りの者がひそひそと話す声が聞こえてくる。
”また初心者いびりだよ…” 新たな登場人物、 ”大笑いする男”が現れました。 一体どんな人物なのでしょうか…? それと周りの者が言う ”初心者いびり”とは…。 何やら穏やかな雰囲気ではありませんね…。 果たしてどのように”金髪のララフェルの青年”と絡んでくるのでしょうか! 第三話の公開は早ければ 10月24日を予定しております!(SSの関係で延期になる場合もあります…) 是非是非お楽しみにー! 第一話、第二話はすでに公開済みです! まだお読みになっていない方も、暇つぶしにご利用くださいませ! 新生秘話 第一話 ~新天地へ~ (記事リンク) 新生秘話 第二話 ~二人の行方~ (記事リンク) FF14ブログランキングへ参加しました! 記事を気に入っていただけたらポチっとしてください!励みになります! ↓↓↓↓  カテゴリ別記事一覧
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 ↑新米冒険者さん支援活動 『サスタシャ支援』サスタシャ支援 ~新米冒険者さん応援企画~私たちはエオルゼアへと降り立った新米冒険者さん達を支援しています! 1人で不安な方、仲間のほしい方、もっともっとエオルゼアを楽しみたい方! そんな方との出会いを心待ちにしております! どうぞ私、 Isyu Lailai にお気軽にお声をお掛けください!  ~関連記事~ サスタシャでの出会いカッパーベル支援
新生秘話。 それは、語られることのなかった、それぞれの新生の物語。 今こそ語ろう。 第七霊災の、もう1つの真実を。  新天地を目の前にし、新たな冒険へ胸躍らせていた一団を、謎の大波が襲った。 船は一度は大波に飲まれたものの、辛うじて転覆は免れ、大勢を立て直す。 しかし、甲板部分を覆うほどの大波に、乗り合わせた者のいくつかはその波に飲まれてしまったであろうことは容易に予想できた。 それは旅団員とて例外ではなかった。 くっ…何が起きた?!二人共無事か?! 旅団の一人、金髪のララフェルの青年が目を見開きながら大声で問いかける。 あたりには波に打ち付けられながらも、甲板にとどまることのできた冒険者が数名横たわっていた。 その中一人が起き上がり、辺りをみわたしながら問いかけに答える。 …おい、あいつは…?イシュはどこにいった…?!  甲板にいたはずの旅団の一人の姿がない。 その安否を確かめる間もなく、次の大波が船を襲う。 波が打ち付けるたびに、船は深刻な傷を負っていく。 考えている余地は無い。 今はただ、残った冒険者で船を立て直し、遠くに見える大陸までたどり着くことだけしか、彼らにできることは無かった。 幾度となく打ち寄せる大波に、また一人、また一人と視界に入る冒険者の数は減っていく。 それは永遠とも思えるほどの悪夢の中にいるようだったと、生き延びた者は言う…。 新天地を目指す船には、50名あまりの冒険者が乗り込んでいた。 しかし、その地に着いた時、その数はもはや10名にも満たないほどになっていた。 行方のわからなくなった者の安否を確かめる術は無かった。  彼らが新天地で最初に出会ったものは、決して希望に満ち溢れた世界ではなかった。 突然訪れた仲間との別れ…。 しかし二人は、悲しみに暮れるようなことはなかった。 故郷のある地で共に死線をくぐり抜けてきた数年間。 その過去が、彼が生きていることを信じて疑わせなかった。 …あいつはきっと、生きている 二人は数日の間海岸線を探し、それに続く山脈沿いをひたすらに歩いた。 すると、二人のゆく先には黄金のように輝く都市が現れる。 その都市は名はウルダハ。 どうやら、運良く船がたどり着いたのはこのウルダハからそう離れてはいない海岸だったらしい。 街に着いてから、二人の目的はすでに決まっていた。  さぁて、人探しと言えば…? 冒険者ギルド、だな 情報を集めたいのなら、冒険者ギルドに聞け。 それは、彼らが長年の経験で得た定石だった。 幸いにも、この地にも冒険者ギルドと呼ばれるものが存在していた。 クイックサンド。 そう呼ばれるそこでは、小豆色の髪をした気の強そうなララフェルが、忙しそうに溢れかえる冒険者の対応に追われていた。 あ~もう!こんなのは”あれ以来”だわ…!今度は何?! 気が立っているようだ…。 どうやら、この数日の間にこの大陸では「何かが起きた」らしい。 冒険者ギルドは行き場や住む場所を失った住民や、働き口を探す者でごった返していた。 人を探していると聞いても、まともに取り合ってくれる雰囲気ではなかった。 その中で、金髪のララフェルの青年が調子の良い声をあげる。  ねえ!そこの綺麗なお姉さん! 名前を読んだわけでもないのに、その小豆色の髪の女性はこちらを振り向いた。 心なしか、少し微笑んでいるように見える…。 ほんの少しだけ足を止め、彼らの話を聞くと、女性はこう言った。 今はここじゃまともに情報は集められないわね…。
もっと冒険を専門にしているギルド…。
そうね、剣術士ギルドや格闘士ギルドなんかに行ってみるといいわ。 そう言うと彼女は、忙しそうにまた別の対応に追われていった。 なるほど、より強い冒険者の集まるギルドのほうが、各地の情報は入ってきやすいのかもしれない。 とは言うものの、それ以外にもウルダハにはギルドは複数存在する。 二人揃って行動するのも効率が悪いだろう。 となれば、やることは決まっている。  ここは手分け、だな。 もう一人の旅団員、短髪の眼光鋭いヒューランが提案する。 それに金髪のララフェルの青年が目を輝かせながら答える。 だねー!あのさあのさ、俺剣術ギルド行ってもいい?!
そう言うと思ったよ。じゃあ俺は格闘ギルド、かな。
おうおう!おっちゃん”得物”無くしちまったしなーww
…うるさい、お前もだろ。さっさと行け。
へいへーい!何かあればリンクパールで連絡してね! 二人の次の行き先は決まった。 それぞれが向かう剣術士ギルドと格闘士ギルド。  果たして、行方のわからなくなった仲間の情報は手にはいるのか。 そしてそこで起こる出来ごととは…。 ここからは、金髪のララフェルの青年を追いかけてみるとしよう。 つづく。 更新済みの話はこちらから!

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新生秘話。 それは、語られることのなかった、それぞれの新生の物語。 今こそ語ろう。 第七霊災の、もう1つの真実を。  エオルゼアを第七霊祭が襲う少し前の事。 エオルゼアを目指し、海を渡っていた一団がいた。 旅団の名は「ヒマワリ」と言う。 彼らの生まれ育った故郷は遥か遠く、名もまだ知られていない土地。 ヴァナ・ディール。 それが「ヒマワリ」が生まれた場所だ。 「ヒマワリ」が結成されたのはこの時から遡ること8年前。 とある新米冒険者が、己の成長と新たな仲間を求め立ち上げたものだ。 「彼」は戦いを通じて強くなり、冒険を通じて仲間を得て、そして「ヒマワリ」も徐々に成長していった。 いつの日か、その仲間達は「家族」となり、彼ににとってはなくてはならない存在となっていた。 しかし、彼が一人前の冒険者になってから数年後のこと。 その幸せな時間は終わりを告げることになる。  ヴァナ・ディール大革命。 それまで、人の強さには「限界」とされているものがあった。 だが、それを更に越える方法が見つかり、人々は更なる強さを探求した。 新たな強さを手にし、未開の地、秘境、そして次元の狭間まで、冒険の地は拡大していく…。 成長した「ヒマワリ」は、それぞれが求める道へと、更に歩を進めていった。 しかし、彼は何か、寂しさのようなものを感じていた。 「ヒマワリ」に加入してきたものは、多くが新米冒険者だった。 そんな彼らと共に、多くの魔物と戦い、迷宮をくぐり抜け、成長してきた。 長い年月をかけ、「ヒマワリ」はそれぞれが一人前の冒険者へと成長した。 今、それぞれが自分の道を見つけ、その先を歩みだしている。 それと同時に、「ヒマワリ」においての彼は…。 …自分の役目を終えた。  この時をもって、ヴァナ・ディールにおいての「ヒマワリ」は、彼らの「思い出」へと変わった。 そして彼も、新たな道を歩き始めることとなる。 ヒマワリが「思い出」へと変わってから数年後、彼は思い立つ。 ヴァナ・ディールの海の向こうには、何があるのだろう。 ヴァナ・ディールにも多くの大陸が海を越えて存在している。 しかし、その領域は未だ全て知られてはおらず、ヴァナ・ディールに住む者たちは、常に水平線の彼方へ思いを馳せる。 「新天地」を目指し、多くの者が水平線へと消えていった。 だが、水平線の彼方から帰ってくるものはほとんどいなかった。 それは新天地にある魅力に取り付かれてか、たどり着くことさえできなかったのか、はたまた別の運命に導かれてのことなのか…。 その真意はわからない。 しかし、海の向こうには、未だに知らない「何か」があるのだけは確かだった。  そこに彼が抱いたものは「恐怖」ではなく「好奇心」だった。 忘れかけていた新米だった頃の記憶。 「新しい何か」を見ることの喜び。 まだ見ぬ地で、また一人の新米冒険者として、新たな冒険を。 それがどんな結果になるかはわからない。 だが、彼はヴァナ・ディールでの「思い出」を胸に秘め、旅立つことを決意する。 ヴァナ・ディールから新天地へと出発する船は存在する。 しかしそれは当然正規の船ではなく、そういったもの好きな冒険者へと販売されている、いわば裏ルートの船だ。 帰ってこれるかわからない船には当然船頭もおらず、乗り合わせた冒険者での航海となる。 …出航した多くの船が戻ってこない大きな理由はそこにあるのかもしれない。 それでも、彼は新たな地での冒険へと胸を躍らせ、その船へと歩を進めた。  船へと乗り込もうとした、その時だった。 懐かしい声が彼を振り向かせる。 今度はどこに冒険に行くんだ?
準備はバッチリしてきたんだろうな。 そこには「思い出」になったはずの「家族」の姿があった。 一人での旅は中止だ。 船に乗り込む三人。 それは「ヒマワリ」の全員ではない。 それでも、ここにまた家族が集まった。 どれほど心強かったことか、それは言うまでもない。 もう一度、冒険に出よう。 こうして、彼らのもう1つの物語は始まった。  航海は思いのほか順調であった。 船を飲み込むような大波も嵐に出会うこともない、山のようなクラーケンに出会うこともない。 それは人々の想像が生み出した勝手な幻想だったのかもしれない。 何も起きないまま、ただ何日も、何日も、なんの目印もない大海原を進んだ。 頼りになるのは磁石の指す方角だけだ。 いったいどれほどの距離を進んできたことだろう。 いつ着くともわからない航海の終わりは、突然やってきた。 遠くにかすかに陸が見える。 近づくほどにそれは確信へと変わっていく。 ヴァナ・ディールではない。 それは紛れもなく、「新天地」と呼ばれていた大陸であった。 あれが新しい冒険の舞台か。
思い出すよな、始めて船で大陸を渡った時のこと。
それってセルビナのこと?ワクワクしたよな。 そんな昔の事を思い出しながら、彼らは新たな地に想像を膨らませ、また胸躍らせた。 その時だった。  それまで穏やかだった空気が、一瞬にして張り詰める。 何が起こるのかはわからなかった。 しかし、何かが「起きている」ことだけはハッキリとわかった。 身構えた次の瞬間、強い衝撃と共に船は大きく傾く。 静かだったはずの波は一瞬にして大波と化し、彼らを飲み込んだ。 …長く眠っていたような気がする。 目を覚ますと、行商人らしき人物が声をかけてきた。  目を覚ましたかい…?てっきり死んでるかと思ったよ。 話を聞くと、どうやら彼は3日間も眠っていたらしい。 少しずつ、自分に何が起こったのかを思い出していく。 海…船…大きな衝撃…。
そうだ、僕は船で旅をしていたはず…。
たしか…。 …僕…一人で…? 彼は記憶を失っていた。 自分がどこから来たのか、どこに向かっていたのかもわからない。 分かるのは今自分が、見知らぬ土地にいるということ。 得体の知れない「起きた何か」に巻き込まれ記憶を失ったということだけだった。 行商人は心配そうに彼を見ながらも、こう問いかけた。 行き先はグリダニアだけど、乗っていくかい…?  グリダニア。 それは緑豊かな、自然を愛する国だと言う。 彼は不思議とその国には親近感が湧いた。 それは彼が生まれ育った国に似ていたからかもしれない。 何も手がかりない今、そのグリダニアという国へ向かう他選択肢はなかった。 グリダニアへ着くと、ふと彼の記憶の1つが蘇った。 それは、彼の名前。 僕の名前…そうだ…。
僕の名前は…。 …イシュ。  記憶を失いつつも、彼の新たな冒険はここ、グリダニアより始まる。 彼はまだ知らない。 自分に失われた仲間がいたこと。 そしてこの先に出会う、新たな「家族」が待ち受けていることに…。 「それぞれ」はまだ知らない。 互の運命が、すでに交差し始めていることに。 つづく。 更新済みの話はこちらから!

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