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新生秘話 【第三話】 ~演習用の剣~



新生秘話。



それは、語られることのなかった、それぞれの新生の物語。

今こそ語ろう。

第七霊災の、もう1つの真実を。


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旅団「ヒマワリ」は新天地を目前に、謎の大波により分断された。

残された二人は、行方不明になったイシュの生存を信じて疑わなかった。



何か情報を集めるためにたどり着いた街の名はウルダハと言った。

情報を仕入れるために二人は冒険者ギルド、クイックサンドへと向かう。

しかし、そこでは有益な情報は得ることはできなかった…。



二人は更なる情報を求め、それぞれ剣術士ギルドと格闘士ギルドへと向かった。

ここからは、剣術士ギルドへと向かった「金髪のララフェルの青年」を追いかけてみるとしよう。


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彼はエメラルドアベニューと呼ばれる大通りを少し歩くと、そのあまりの町並みの美しさにしばし見とれていた。

規則的にかつ精密に敷き詰められた石畳、陽を浴びて黄金色に輝くその町並みは、彼の故郷の「それ」とは一線を画していた。

ふと回りに目をやれば様々な露店が立ち並び、煌びやかな踊り子達が舞っている。


お、こりゃ面白いもん売ってんなぁ!!


見たこともないような食材や衣類に目を奪われ、思わず足が止まる。

ふんふんと数分間品物を観察して、ふと思い出す。

…こんなことをしている場合じゃない。


やべ。おっちゃんに見つかったら怒鳴られるな…


あたりをぐるっと見回すと、その姿がないことをしてほっと胸をなでおろした。

思い出したかのように、懐から冒険者ギルドからもらった地図を取り出し、剣術士ギルドへの道を確認する。

剣術士ギルドへ向かうにはまず、ザル回廊のゴールドコートという場所へ向かえば良さそうだが、ウルダハの街並みは複雑に入り組んでいる。



綺麗に整備された石段を何度上り下りしたことだろう。

実際にはそれほどの距離ではないはずなのに、随分と遠回りをしてきたようだ。


まるで、初めて行った「ジュノ」だな…


彼は故郷のある大陸の、とある街を思い出していた。

ゴールドコートまでくれば剣術士ギルドは目と鼻の先だ。

石階段を数段おり、2分ほど歩くと、2本の剣を交えたようなその看板は見えた。


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彼は一通りその外観を眺めると、躊躇せずにその扉に手をかけた。

扉が数センチほど開いたとき、何やら男の怒鳴り声が扉の中から響いてきた。


さっさと持ってこいよ!まったく平民はとろくさいなぁ!


…何やら取り込み中のようだ。

が、彼はそんなことを気にもせず、扉を開け剣術士ギルドへと足を踏み入れた。



ギルド内にいた数名が彼のほうを振り返る。

手の空いてる者が彼の対応にあたってくれた。


あぁ、人探しかい。ここには手練の剣士も集まるから話を聞いてみると…


話を聞いていると、男が話に割り込んでくる。


おぉい、そこの薄汚い冒険者ク~ン?入門希望かなぁ~?


どうやら割り込んできたのは先ほど大声を上げていた男のようだ。

片手にオレンジ色の飲み物を持ちならが、こちらに近づいてくる。

…正直、関わりたくない。


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ギルドの中でも一際目立つその「ナリ」は、その男が変わり者であることを物語っていた。

全身に金の装飾をふんだんに施したそれは、決してセンスの良いものとは言えない。

一瞬、これがこの大陸での「階級持ち」の格好なのかとも思ったが、周りの者の表情を見る限り、そういうものでもなさそうだった。

その男は彼の目の前まで来ると、威圧的な態度でこう言い放った。


入門希望ならま~ず金だよね?金のないやつは帰った帰ったぁ~アッハハ。


慌てた様子で係の者が割って入る。


違うんです…!彼はただ人探しで…

うふ~ん…。だったら情報料も置いてってもらわなきゃね~?まぁそんな格好じゃ、ろくに金も持ってない貧乏人だろうけど。アッハハ。


対応してくれていた係員に目をやると、こちらのことをひどく心配している様子だった。

それと同時に、周りの者は眉間にシワを寄せ、その男のことを見ている。

…なるほど、彼らの表情から察するに、何らかの理由でここにいる「厄介者」のようだ。

その男は続けてこう言い放つ。


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君は運が良いよ?今僕は気分がイイからね。この僕と勝負して勝てたら入門させてあげるよ。貧乏人にもチャンスくらい与えてあげないと可愛そうだし。アッハハ。


別に剣術士ギルドに入門したいわけではなかったが、彼はある条件を加えて言い返す。


それって、俺が勝ったらここで情報探しも自由にやって良いってこと~?


男は、彼が自ら条件を提案してきたことに少し驚いたような様子だった。

少し間を置いてからその男は笑い出しながら言う。


…アッハッハ!いいよいいよ、好きなだけやってくれて。なんなら僕直々に手伝ってあげてもいいよ?


大笑いする男の声の影に、周りの者がひそひそと話す声が聞こえてくる。


また初心者いびりだよ…

自分が憂さ晴らししたいだけだろ…

あの子もかわいそうに…運が悪い…


そういうことか、と彼は状況を理解したが、特別表情を変えるような事はなかった。



が、彼は武器を持ち合わせていなかった。

唯一携帯していた”得物”も、あの大波で無くしてしまった。

武器だけは剣術ギルドにある物で代用するしかなかった。


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ギルド内を見渡すと、そこはさすがに剣術ギルドというだけあって、「片手剣」が豊富に揃えられている。

しかし、そこに並んでいたのは「演習用」であり、あくまで初心者用の剣ばかりであった。


おい、あんた…悪いことは言わない、今すぐ…


彼を心配してか声かけてきた青年を、あの男かギロリと睨みつける。

青年はそれ以上何も言うことはなく、その場を去っていった。


ねぇ、いつまで選んでるの?貧乏人用の剣なんてどれでもかわらないよ?


あの男が執拗に急かしてくる。

彼は目の前にあった「演習用」の剣を一本取り出した。

手に持った剣をおもむろに上下させると、彼は少し笑みを浮かべた。


ここの剣は仕事が丁寧だね。「演習用」でも、いい素材使ってるよ


彼の言った言葉に、再びあの男が大笑いを始める。


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クク…アッハハハ!いい素材だって?これだから素人は…いい剣っていうのはこいうのを言うんだよ。…フッフフ。


そう言って男が目を送った先には細かな装飾や宝石が散りばめられ、「いかにも」な雰囲気を漂わせている。



剣を選び終わると、二人は「演習場」へと向かう。

彼のことを心配してだろうか、ギルドの者が数名後をついてくる。

よく見ると、たまたまその場に居合わせた商人や学者も、面白半分で見学しにきたようだ。

演習場を囲む人の数は10数名ほどなっていた。

それはさながら、見世物のようだったと、その場にいた人は後に語る。



それもそのはず。

かたや金色の鎧に身を包む大男、かたやまともな装備も纏わぬ小柄な初心者なのだから…。


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いいかい初心者くん。勝負はどっちかが気絶するか降参するかだ。手加減してあげるから頑張りなよ?


彼は少し考えたあと、笑みを浮かべ小さく頷いた。

先を急がなければならないはずなのに、彼はどこか嬉しそうな表情をしているようにも思えた。

こうして、彼と男の勝負は始まる。



彼が手にしたのは「演習用」の剣。

会場を包む不安感は、この先現実のものとなっていく…。

果たして、勝負の結果はいかに…。




つづく。



更新済みの話はこちらから!



↑読み物企画第二弾!連載中!

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[ 2015/10/24 20:00 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

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