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新生秘話 【第四話】 ~異国の剣勇~


新生秘話。



それは、語られることのなかった、それぞれの新生の物語。

今こそ語ろう。

第七霊災の、もう1つの真実を。


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未知なる大陸での冒険を夢見ていた一団は、謎の大波により分断されてしまった。

行方不明となってしまったイシュを探すため、残された二人はウルダハという街で情報収集を始める。

その一人、金髪のララフェルの青年は剣術士ギルドに向かう。

しかし、大声で怒鳴り散らしていたギルドの男に目をつけられてしまう。

その男は、自分との勝負に勝てばギルドでの情報収集を許してくれると言うが、周囲にいた者は一同に眉をひそめている…。

かくして、その勝負は始まりを告げる。

果たして、その勝負の行方は…?

ララフェルの青年は、無事情報を掴むことができるのだろうか…?


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いいかい初心者くん。勝負はどっちかが気絶するか降参するかだ。手加減してあげるから頑張りなよ?


彼は少し考えたあと、笑みを浮かべ小さく頷いた。

先を急がなければならないはずなのに、彼はどこか嬉しそうな表情をしているようにも思えた。

こうして、彼と男の勝負は始まる。

剣術ギルドの係員が開始の合図をする。

それと同時に、男はおお振りで剣を振りかざしてきた。


”そらよぉ!”


男が振りかざした剣が大きな金属音と共に「演習用」の剣を穿つ。

剣の道に関わったことのある者ならば、立ち合った一太刀目で、ある程度相手の力量を測ることができると言う。

この一太刀目を境に、”小柄な初心者”から笑みは消えた。

更に剣を交えるごとに、彼の表情はどこか怒りにもにた表情になっていく。


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おいおい、守るだけじゃ勝てねぇぜ~?焦りが顔に出ちまってるよ、初心者君?


対して男には余裕が全面ににじみ出ている。

何度も何度も振り下ろすその剣は、あえて防ぎやすい場所を狙い、いたぶるのを楽しんでいるかのようだった。

しかし、それは単調な攻撃故に、読んでしまえば反撃は可能だった。

右肩口に振り下ろされた剣をつば元で受け、体を半回転させその剣を受け流す。

受け流す力を利用し剣を加速させ、体の回転力を乗せた剣は相手の額付近を一閃する。


…男の前髪がひらりと散った。


てめぇ…!俺様のハンサムな髪型を…!!


前髪を切られたことによっぽど腹をたてたのか、その顔には血が上っている。


髪型はハンサムに関係ないし、本気でやったほうがいいんじゃない?


彼が言い返すと、男は怒りに任せて剣を乱打する。

それまでのいたぶるような剣とは違い、それはおそらく、手加減なしの斬撃の嵐だった。

演習場に連続して響き渡る甲高い金属音。

見ていたギャラリーからもどよめきがあがる…。


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おい…あれ止めなくていいのかよ…?

あの初心者君死んじまうぞ…。


その間にも数十の斬撃が彼に浴びせられている。

が、怒りに任せての斬撃だからだろうか、彼は致命傷を負うこともなく、その剣を受け続けていた。


それがどれほどの時間続いただろうか。

それでも彼は倒れることはなかった。

怒りに任せ剣を振っていた男にも疲れの色が見え始める。


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はぁはぁ…しぶてぇやつだな!貧乏人にはもったいねぇ技だがしょうがねぇ!


耐え続ける彼に業を煮やしたのか、男がなにやら技の構えに入る。

男の剣からは、金色の光が溢れ、それはまるで黄金のオーラを纏っているかのようだった。

ギャラリーからは歓声があがると共に、不安そうな視線が彼に集まる。



その構えを目の当たりにして、彼は大きくため息をつき、小さく呟いた。




もういいよ。





その時、演習場にいた全員が、凍るような空気を感じ、身動きがとれなくなったと言う。

その刹那だった。

誰もがその瞬間を見ていたはずなのに、誰の目からも一瞬、彼の姿が消えた。

とっておきの技の構えをしていた男も含め、全員の思考が一瞬停止する。

次の瞬間、彼は男の背面へと現れた。


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剣と剣とがぶつかる金属音とは違う、鎧を穿つ金属音がその場に響き渡ると同時に、激しい火花を散らした。

ギャラリーが何が起こったかを理解する前に、男は膝から崩れ落ちた。


ねぇ、気絶も勝ちだったよねー?


彼が係員に問いかけると同時に、ギャラリーからは割れんばかりの歓声が湧いた。

こうして、初心者狩りの決闘は、誰もが予想もしなかった結果で幕を閉じた。



男は気絶したままだったが、約束通り心おきなく情報収集をさせてもらうとしよう。

それと同時に、男の素性についても少し話を聞いた。

…というより勝手に話されたといったほうがいいだろう。


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いや~君があいつをぶっ飛ばしてくれた時はスカっとしたよ!


やはりと言うべきか、何やら彼が嫌われていたのには理由があるらしい。

聞かされた話を整理していくとこうだ。

男はウルダハでは名のある貴族の息子であり、父親は剣術士ギルドに対し多額の援助金を寄付しているらしい。

父親は息子を剣術士ギルドのトップに立たせるべく、その援助金を理由にギルドの幹部に就任させた。

いわゆる”コネ”というやつだ。

援助金の後ろ盾もあるせいか、周りもその言動に強く言うことができずにいたようだ。

権力に任せ、剣術の修行もおろそかにしていたようで、その実力もお察しというところ。


けど、最初あんたの顔色が変わった時はヤバイって思ったぜ?真顔っていうかさ!


一太刀目を受けた時に見せた彼の表情。

ギャラリーには、それが余裕がなくなったかのように見えていたのかもしれない。


ああ、一太刀目でたいしたことないってのは分かったからねー。それよりも、そんな奴が剣を語ってることにちょっと腹が立っただけさ。


そ、そうなのかい…?でもたいしたことないって言っても、最後の黄金のオーラの?あの技なんか見たら普通ビビっちゃうよ。


たしかに、あの男が最後に見せた黄金のオーラを纏う技は、その全貌はわからなかったが、常人の域は越えているかのように思えた。


あれは剣のツバに仕込んだ金粉を撒き散らしてるだけだよ…。


あの構えを見た瞬間に彼が大きなため息をついたのは、それを見切っていたからだった。

金持ちの考えることはわからないと言うが、こうも無駄な使い方があるものだろうか…。

あの男が目を覚ました時、この先剣術士ギルドでの立場を考えると少し同情するものがある。


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しかしあんた強いな、最後の技はなんていうんだい?あと、情報集めするなら一応ギルドに名前を登録しておくから教えておくれよ。


技名?ただちょっと本気で振っただけだよ!でもあれで壊れないなんて、やっぱここの剣はいい仕事してるね!



彼は笑みを浮かべながら借りた剣を返すと、2つ目の質問に答える。

えーっと、名前登録すんだっけね?

じゃあ登録の名前は…。



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バン、で!


係員はその名を聞くと、ギルド名簿へサラサラと羽根ペンを走らせた。


バン…っと。あと、出身地も一応教えてもらえるかな?この国はそういうの気にしててさ。


彼は聞かれた通り、生まれ育った地の名を答えた。

しかし、それを聞いた係員は眉をひそめ、しばし考え込んだ。

それもそのはず。

彼が生まれ育った地で、ここエオルゼアが全く知られていなかったのと同じように、彼の故郷もエオルゼアでは全く知られていない地だった。


う~ん…こんな地名知らないよ…?本当にあるのかい…?



そう言われてもな、とバンは返す。

係員はさきほどより一層眉をひそめ、また考え込んでしまう。

エオルゼアの外の大陸から船で海を越えて来たと言っても、それを信じるものはそういないだろう。

係員の彼もまた、その話を本当のことだとは思っていなかった。


…わかったわかった!何か理由があるんだろ?深くは聞かないよ。


係員はこちらを何か察したような表情で見ると、パタンッとギルド名簿を閉じた。

それからと言うもの、係員はバンの事を聞かれても「異国」から来たようだとしか伝えなかったという。

そして後々、剣術士ギルドでバンはこう呼ばれるようになる。



”異国の剣勇”と。



剣術士ギルドでの出来ごとはこれだけではない。

そもそも、ここに来た目的は剣術勝負ではない。

行方不明の仲間の情報を集めなくては…。

そう思った矢先、バンに声をかけてくる男がいた。


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やぁ、さっきの勝負見させてもらったよ、たいしたもんだ。


男は剣術士…という風貌ではなく、大きな荷物を背中に背負っていた。

続けてその男は言う。



しかしそんな装備じゃ困りもんだろ?どうだい、いい装備が揃ってるぜ?


どうやらその男は、様々な物を売り歩いている行商人のようだった。

まともな装備を纏わぬバンに目をつけたようだ。

だが、自らの得物一本仕入れられない状況を考えると、その懐事情はお察しというもの。

当然装備など買う金もない。

そう伝えると、行商人は途端に興味をなくし、その場を去ろうとした。


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ちょっとまってお兄さん!聞きたいことがあるんだけど!


バンはその行商人を引き止めた。

行商人の男はあからさまに嫌そうな顔をしたが、バンは気にせず続け、青い髪のララフェルを見なかったかと訪ねた。

男の嫌そうな顔は晴れなかったが、少し考えてからバンの問いかけに答えた。


まぁ良いモン見せてもらった礼だ。教えてやるよ。

俺の行商人仲間がいるんだけどな、つい先日行き倒れてるララフェルをグリダニアまで届けたって言ってたな。

言われてみれば聞いた風貌もおまえさんと似てるし、そいつなんじゃねぇか…?


そう言うと行商人の男は次の金づるを探しにそそくさとその場所を後にしていった。

こいつは思わぬ収穫だった。

いきなり得られた有力な情報だ。

グリダニア、か。

バンは懐にいれていたリンクパールを取り出すと、格闘士ギルドに向かった仲間に連絡を取った。


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お~い!おっちゃん!有力情報ゲットだぜ~!グリダニアだってよ!どっかわかんねぇけど行くぞ~!


意気揚々と話しかけるバンとは裏腹に、格闘士ギルドの仲間はトーンも低く意外な返事をする。


あぁ、そうか、それは良かった。でも俺はちょっと用事ができちまった。


思いもよらない返事にバンも戸惑う。

当然その理由を問い詰めてみるが、その仲間はかたくなに口を閉ざす。

ただ一言だけ、「興味が湧いた」とだけ伝えてリンクパールの通話を切った。

バンは大きな溜息を付きながらボソッっとつぶやく。


まぁ~たおっちゃんの悪いクセだよ…こうなると聞かないかんな~…。まぁいっかねー!


どうやらもう一人の仲間は、まだ格闘ギルドでやることがあるらしい。

それが行方不明の仲間を探すことよりも大事なことかは定かではないが…。

しかし、そんなことも彼らの間ではよくあることだったらしい。

何はともあれ、有力な情報をつかめたバンは、一人先にグリダニアに向かうこととした。


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新たな地、グリダニア。

その旅の途中では一体何が待ち受けているのだろうか。

そして散り散りになった仲間は果たして無事に再会することができるのだろうか。

まだ互いの未来を知らぬ者たち。

そのの運命は、ここから交差していくことになる…。




つづく。





更新済みの話はこちらから!



↑読み物企画第二弾!連載中!
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[ 2015/12/02 17:39 ] 新生秘話 | TB(-) | CM(0)

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